2026年4月30日
「秘密保護法」廃止へ!実行委員会
共謀罪 No!実行委員会
4月23日、衆議院本会議で国家情報会議設置法案(以下、同法案と略)が採決され、参議院に送付されました。これほど重要な法案が、4月10日内閣委員会で審議入りした後,参考人質疑、22日連合審査、内閣委員会採決と短期間での拙速審議で採決に持ち込まれたことに強く抗議します。
同法案は戦争と一体の悪法です。参議院段階で必ずや同法案の廃案を実現するため力を尽くすことを声明します。
日本が外国をスパイすることを可能にする
第一に、同法は日本が本格的にインテリジェンス(情報収集・分析)活動にのりだすことを合法化しようとするものです。憲法には、政府のインテリジェンス活動を容認する前文、条文はありません。にもかかわらず、高市政権は憲法を無視して問答無用とばかりに同法の制定に踏みだしたのです。
同法は、第2条で国家情報会議を重要情報活動、外国情報活動に関する重要な情報への対応を調査審議する機関として内閣に置くとしています。重要情報活動とは、安全保障や緊急事態などの国内の重要な国政の運営(重要国政運営)に関する情報を収集調査する活動としています。これは、日本が外国に対しておこなう情報収集活動=スパイ活動ということです。そして、情報収集活動の範囲が日本の重要国政運営にかかわる情報としていることからも明らかにように、軍事情報に限るとかということではなく、無限定です。
この重要情報活動と対をなすのが、外国情報活動です。これは外国からの「スパイ」を防止する活動ということです。条文では外国の利益を図る目的で行われる「公になっていない情報のうちその漏洩が重要国政運営に影響を与える恐れのあるものを取得するための活動」とされています。文字通りの「スパイ」対策です。
同法は日本が本格的に外国へのスパイ活動にのりだすことを宣言した悪法です。
国民総監視、情報の国家統制への道開く
第二に、この法案は、国民総監視法であるということです。
重要情報活動と外国重要活動が対象にしている情報は「重要国政運営」にかかわる情報です。軍事、外交の情報などという限定性はなく、国政に影響を与える情報という実に無限定な情報です。つまり、政府がそれを「重要国政運営」にかかわる情報といえば、そうされてしまいます。
政府に都合よく解釈できる「重要国政運営」情報の名のもとに、政府は外国の情報を無制限に収集するとともに「スパイ対策」の、 名のもとに、市民の知る権利、メディアの取材報道の自由を規制、国民を総監視し、情報を国家統制のもとにおこうとしているのです。
そもそも「重要国政運営」情報の概念が曖昧で無限定なため、メディアや市民は、何がそれにあたるかなどまったくわかりません。市民が情報を取得し、メディアが取材するにあたって何が「外国に情報を売る」行為に当たるかまったくわかりません。つまり、この「重要情報活動」と「外国情報活動」は市民の知る権利、メディアの取材・報道の自由を全面的に規制する問題性、危険性をもっているということです。
「スパイ対策」の名のもとに、市民の知る権利、メディアの取材・報道の自由を全面的に規制し、かつての「大本営発表」への道を開くものです。
情報機関の権限強化、肥大化への道
第三に、同法は、国家情報会議の事務をおこなうものとして。内閣情報調査室を国家情報局に格上げ・設立し、そのもとへの警察、公安調査庁、自衛隊などの各情報機関の情報を統合しようとしています。これはかつてない情報機関の権限強化・肥大化をもたらすものです。
国家情報局が重要情報活動、外国情報活動、秘密保護法第3条1項の秘密の保護に関することを取り扱う扱うとされています。そのことからも明らかなように、法案成立後、「スパイ防止法制定」「対外情報庁設置」などの議論、動きが加速されていくことは疑いありません。国家情報局が「重要国政運営」にかかわることは政治全般に目をひからせることを意味します。例えば、警察は「公共の安全と秩序の維持」(警察法第2条)を大儀名分として市民活動、労働運動などを監視し規制してきましたが、これからは国家情報局のもとに「重要国政運営」という大儀名分をふりかざすことが可能になります。これは、警察国家、警察の政治警察への道にほかなりません。岐阜・大垣警察市民監視違憲訴訟では警察の捜査がが裁判所から厳しく断罪されています。
同法は、「国家安全保障会議」と同格のものに「国家情報会議」を押し上げるものであるとしていることからも明らかなように、高市政権は、「国家安全保障会議」と「国家情報会議」を日本を戦争する国への転換する車の両輪と位置づけています。
私たちは、市民の知る権利、取材・報道の自由を規制し、国民を総監視し、情報の国家統制をはかる「国家情報会議」法案に反対します。参議院での廃案を目指し全力をあげることを表明します。